お母さんとの関係

今週末は母の日ですね。

皆さんはもうお母さんへのプレゼントの用意はされたでしょうか?

お母さんへの日頃の感謝の気持ちをうまく伝えられるといいですね。

ところで、母の日が近づくこの季節、実は苦々しい思いをしている人というのも結構いらっしゃるのかもしれません。

昔、小学校などで母の日用に赤いカーネーションを生徒に配り、その時、感謝すべきお母さんが既に亡くなっている場合やなんらかの事情で会えない状態にある生徒には白いカーネーションが配られたのですが、それも色んな意味で配慮に欠けるということになって、今ではそういう区別はなくなっているそうで、白いカーネーションの意味を知らない世代が増えているようです(年齢がバレますね)

母性とは慈しみ育てる存在であり、すべてを包含する性質を持ちますが、その反面で全てを飲み込んでしまうという負の性質もあるのです。

お母さんとの関係がうまく行かずに悩んでいるという人は思いの外、たくさんいます。

世間ではお母さんとは感謝されるべき存在として一般化されていますから、そういう気持ちになれない人の場合、とても罪悪感を感じてしまったりします。

あるいは、本人はお母さんとの関係は良好だと思っているけれども、実は生きづらさの原因がお母さんとの関係性にあるという方もいます。


 
最近NHKで放映された「お母さん、娘をやめていいですか?」というドラマでは、女優の波瑠演じる娘・美月を飲み込んでしまう母親(斎藤由貴)の狂気のような心理が描かれていました。


美月はずっと母と二人三脚で高校受験、大学受験、就職活動を乗り切り、高校教師をしている25歳の女性。型にはまった優等生という感じ。


それまでずっと母とは一番の親友のような関係でした。


でも、次第に自分が母親の人形のようであることに気づきはじめ、最後には母に「No!」を言って、一人の女性として自立していったストーリーでした。


ドラマだから都合よく状況が展開していって、最後は父、母、娘、それぞれが精神的にも状況的にも新しい出発をする結末となり、チャンチャン!って感じでしたが、現実の世界では母の呪縛から自立していくにはかなりのエネルギーが必要になります。


まず、自分が母の操り人形であったということに気づくことがまず、怖いことでしょう。



子供にとって母とは世界で一番重要な存在で、母に気に入られることは至上命題です。

母に嫌われたら生きていけませんから。


そして、それ以上に、子供というのはお母さんを助けたい、お母さんを喜ばせたい、お母さんに幸せなってほしい、と本気で思っているものです。



それに対して、お母さんの心が安定していて、自分と子供は別の人格を持った存在だということがちゃんとわかっていてうまく自他の境界線を引けていればいいですが、母子というのは肉体的にもその起源は全く一体ですから、お母さんの心に欠落感があってそれを子供に埋めてもらおうとすると、このドラマのような母子癒着、母子の共依存的な関係になってしまいます。


ドラマではボーイフレンドとの出会いによってうまく精神的自立が果たせましたが、この母子の共依存的な関係に気づかずにいると、大人になっても、結婚しても、親がいないと生きられないと思ってしまったり、人の期待に応えることばかりしようとして疲れてしまったり、自分で物事を判断することができなくなり、その結果自分という存在がよくわからない、自分が何を感じているのかわからない、生きることに漠然とした空虚感を感じてしまうなど、様々な生きづらさをかかえてしまうことがあります。

時にはうつ病など心の病気になってしまったり、様々な形の嗜癖行動として顕在化したり、子供の場合には不登校や引きこもりなど様々な問題として現れてしまうこともあります。



自分と母親の関係、なんか変かも?と思ったらちょっと自分の心の内側をじっくり見つめてみるといいかもしれません。





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