脱フュージョン
今日から9月ですね。
空気はひんやりとして秋の気配。
新宿御苑内の散策も汗をかかずに気持ちよく歩くことができました。
今日のお花は「ムクゲ」。
初夏~秋までの長期間に次から次へと涼やかで優しい大輪の一日花を咲かせるアオイ科フヨウ属の落葉低木です。
韓国の国花なんだそうです。
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以前、「魔法の言葉」としてご紹介した「思考」と「現実」を分けるために自分に自動的に起こって来る考えに「~と考えた」と口にしてみるといいと書きました。
やっぱりこのことを、多くの方に、何度もお勧めしたいな~と思うのですよね。
「認知行動療法」という言葉を聞いたことのある人は結構いらっしゃるかなと思います。
うつ病の治療としてちゃんとエビデンスがある心理療法として。
最近では、「マインドフルネス」というのが心理療法的効果があるというので、世間でずいぶん広まっています。
マインドフルネスとは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」です。
ふたつをくっつけて「マインドフルネス認知行動療法」という心理療法もあります。
認知行動療法は、自分を苦しくしてしまうような自動的に起こって来る思考に気づいて、その考えについてちょっと別の角度から見てみたりしながらもう少し柔軟性のある考え方ができるように練習していくものです。
ですが、自分の認知に気づくためには、マインドフルになる必要があるので、認知行動療法の効果は、認知についての検討内容以前に当事者がマインドフルになることによる恩恵の部分が大きいのではないかという人もいます。
マインドフルになるための訓練としては、主に、ある一定の時間、呼吸や身体の感覚に意識を集中しながら今ここに留まる練習をしたりしますね。
それらから一歩先に進めたのがACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)です。
認知行動療法ではひとつひとつの自動思考について、もっと楽な考え方はないだろうか~?なんて検討していくのですが、ACTでは、思考というもの全てを十羽一絡げ、「思考全体から距離を取る」ことをします。
まあ、マインドフルになることは大前提としてあるのですが、「思考というのはただの言葉である」、みたいに捉えて、思考と現実を分けるのです。
「フュージョン」という言葉を私が初めて聞いたのは音楽のジャンルとしてでした。
ジャズを基調にロックやラテン音楽、R&B、電子音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンル。
フュージョンとは要するに「融合」のこと。
思考と現実がごっちゃになってる(融合している)ことをACTでは「フュージョン」と呼ぶのです。
他の心理学の用語で「脱同一化」と呼ぶものと同じだと思います。
「~と考えた」というのは、英語で言うともっとわかりやすい気がします。
“I have a thought that~~~”となると、”~~~”という考えを持っている私は考えそのものよりも大きいことが分かりますよね。
自己嫌悪の泥沼にはまってしまったときに、「はっ!」と気がついて、「私は今どんな考えとフュージョンしてしまってるのだろう?」と気づいてみて下さい。
私はどんな「考え」を「持っている」のか?
一人でこれをやるのはなかなか大変ですから、必要と思われた時には心理カウンセリングを利用してみて下さいね。
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