『キレる私をやめたい』から

関東地方は昨日梅雨入りしましたね。

今日の新宿御苑、新宿門付近では紫陽花の花が美しく咲いています。 







さて、前回『母がしんどい』をご紹介しましたが、その続きで、今回は『キレる私をやめたい』から。





主人公のエイコさんは優しいダンナさんと結婚してハッピーになれた、はず。

でもなぜかエイコさんはダンナさんに対して激しくキレて、暴言を吐いたり暴力を振るったりしはじめてしまうのです。



普段は穏やかで人に不快な思いをさせまいと結構気を使っているのに、なぜか一番親しくて心が許せる伴侶に対して自分の気持ちをコントロールできなくなってしまうのです。



実はこういうこと、よくあります。



親しい間柄だからこそ、特別の関係にあるからこそこうなるのです。



親との間の愛着が不安定な人は、自分にとって大切な人であればあるほど、根底にある「見捨てられ不安」や「わかってほしい」という気持ちが溢れ出てしまいます。



そして後から暴言・暴力を振るった自分に激しい自責の念を感じるのです。



そんなエイコさんは子供を出産し、あるとき自分の子供を突き飛ばしてしまいたい衝動が自分の中に沸き起こったことを自覚して、子供にだけはそんなことをしたくない、なんとか自分を変えたいと本気で決心します。





そして、様々なセラピーを受け始めますが、彼女にとって一番効果があったのは「ゲシュタルト・セラピー」でした。



ゲシュタルト・セラピーは「今ここでの気づきを体験すること」を大切にするセラピーです。



創始者のフリッツ・パールズは「気づきそのものが癒しである」と言いました。



人はつい1つの視点からのみ物事を眺めて、ひとつの価値観に固執しがちですが、視点を変えてみるだけで様々な気づきを得ることができます。



自分の無意識の部分に「気づく」ことによって、選択の可能性が広がり、自分で責任を取って、自分らしくいきいきと生きていくことができるようになります。



ゲシュタルトとは「統合された形」といった意味のドイツ語です。


下の絵は何に見えますか?



壺に見えますか?



それとも向き合った二人の横顔に見えますか?



これはゲシュタルト・セラピーの代表的なイメージとしてよく引き合いだされる「ルビンの壺」という絵です。



視点を変えると全然違ったものに見えますよね?



ゲシュタルトではこんな風に視点を変えて物事を見てみることを奨励します。



漫画の中では、自分の中にある二つの気持ち、ご主人に怒ってしまう気持ちと、ご主人のことを「いいな」と思う気持ち、それぞれに焦点を当ててよく感じてみたり、それぞれの気持ちの自分から他方の自分を眺めてみたりします。



ゲシュタルトでは気持ちを感じるのに自分の身体に意識を向けることも重要です。



感情はなんらかの身体の感覚として感じられるものです。



ご主人を「いいな」と感じている自分から見ると、怒っている自分はバカみたい・子供っぽいと思えます。



そしてもっとよく見てみると、お母さんに似ている。お母さんみたい。



そこで今度はお母さんになってみて、お母さんの気持ちを感じてみたり、お母さんから娘としての自分を見てみます。



そしてその場その場での自分の気持ちや、身体の感覚をありありと感じることで、感情的な抑圧が解放されたり、新たな気づきを得られたり、色々な気持ちが統合されてきたりします。



漫画の中では、ひとつのセッションの最後に「笑い」が出てきました。


「笑い」は自分のことを客観的に見れた証拠です。

ひとつの視点に張り付いているとき、人は行き詰りを感じやすいです。



ゲシュタルト・セラピーは普通グループで行うので、新宿御苑前カウンセリング・センターのカウンセリングではゲシュタルトそのままの形では行いませんが、上記のように「今ここ」での気づきを広げることをサポートしていければと思っています。





お問合せ先

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◇新宿御苑前カウンセリング・センター

〒160-0022東京都新宿区新宿2丁目1-2 白鳥ビル2階

三田こころの健康クリニック新宿内

TEL : 03-4405-6948

Mail: counselingroom@reengagement.org

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