空虚感
台風5号はずいぶん迷走した末に日本列島に上陸して、かなりの爪痕を残しながら北上していますね。
被害にあわれた方々には心からお見舞い申し上げます。
台風は東京にはあまり影響を及ぼさず、今日の昼の新宿御苑は夏の青空が広がっていました。
台風一過でとても暑いですが、新宿御苑は「クールアイランド」現象で、市街よりも1~3度ほど気温は涼しいそうです。
森の中に入ればさらに涼しいです。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜
さて、今日は空虚感について。
いつも、なんとなく空虚な感じを感じている人というのがいます。
普通に生活していて、普通に仕事にも行っている。
友達もいることはいる。
でも、なんとなく、いつも空しい・・・。
病気というわけでもないから病院に行くのもなんか違うし・・・
どうしたらいいんだろう・・・?
子供の頃、親からネグレクトを受けると空虚感を感じやすくなります。
よく知られているネグレクトとは、食事の世話をしてもらえないとか、お風呂に入れてもらえないとか、洗濯をしてもらえないとかいうことを言いますが、もう一つ重要なのは子供の情緒にちゃんと反応してもらえないということ。
心理的なネグレクトですね。
身の周りの世話はしてくれるけれども、子供の細やかな気持ちに適切に反応してくれないと、子供はいつも心が「暖簾に腕押し」状態で、自分の気持ちを発信するのを止めてしまい、そのうち自分の気持ちを感じることも止めてしまいます。
そうなると、自分という存在をうまく感じることができなくなってしまいます。
一方、空しさを抱えていらっしゃる方の中には「親には可愛がられました」という人もいます。
ですが、その「可愛がられた」は実は「過保護」や「過干渉」だった場合があります。
そうすると、ネグレクトされて育った人と同じように空虚感を感じるようになることがあります。
子供が自発的にあれをしたいと思う前に親が全て決めてしまう、また、自分がしようとしたことに「ダメ。それではなくて、あなたにはこれの方がいい」と親の気持ちや考えを押し付けてしまうと、やはり子供は自分の気持ちを感じて発信することを止めてしまいます。本人の心理的スペースがなくなってしまいます。
ネグレクトも過干渉も、子供の気持ちに寄り添っていないということでは同じなんですね。
自分の気持ち、心を大切にしてもらっているという感覚を感じられない。
では、どうしたらその空しさから解放されるのだろう?
それには、「自分」という感覚を確かめていくことが必要かなと思います。
自分はどんなことが好きで、どんなことが嫌いか。
どんな時に嬉しいと感じ、どんな時に怒りや悲しみを感じるのか。
ひとつひとつ丁寧に自分の内側を感じていくこと。
そして、感じたものには全て批判することなく、全てありのままに受け入れていくこと。
そして、それを一人でやるのではなくて人と一緒にやることが重要だと思います。
自分の感じたことを言葉にして話して、それをそのまま受け取ってもらうこと。
それはとても心地の良い、満たされた体験になります。
「自分」という存在は、一人で感じようとするのは難しく、人と共にいることで感じられるようになる。
「打てば響く」ということを体験する。
自分が表現したことが他者に受け止められると、次々と内側から気持ちや考えが湧き出てくるようになります。
友達やパートナーと親密になれる体験をできるといいですね。
でも、そもそも親密になる方法がわからない、と思われるでしょう。
そうしたら、まずは心理カウンセリングを利用してみてください。
カウンセリングという安全な場で、ゆっくりと自分の感情を感じ、それを言葉にしてみる。
それをそのまま受け取ってもらうという体験をしてみて下さい。
そういうことを積み重ねることで、自分という存在の輪郭を徐々にはっきりさせていくことができると思います。
すると、少しずつ自分の中からエネルギーが沸いてきますから、何か新しいことを始めてみよう、とか、思うようになるかもしれないし、これまでただ惰性でやっていた仕事が楽しく感じられたりするようになるかもしれません。
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