出来事自体には善悪も幸不幸もない
皆さま、こんにちは。
今日は七夕ですね。でもこの季節は厚い雨雲に覆われることが多くて、織姫と彦星の逢瀬を見れることは滅多にありません。
雲の上では二人とも人目を気にすることなくロマンティックなときを過ごしていることでしょう。
それどころか、日本列島はまたしても豪雨の災害に見舞われています。
九州地方や岐阜地方の方々など、できるだけ被害が少なく済みますように祈るしかありません。
ところで、先日NHKの「アナザーストーリーズ」という番組で「多摩川水害と“岸辺のアルバム”」という特集を放映していました。
「岸辺のアルバム」は1977年に放映された山田太一原作のドラマで、1974年に起こった多摩川水害を取材したことが背景となって生まれたドラマです。
ラストの水害で家が流されるシーンは、実際の報道映像が使用されています。
家族の当たり前の日常を営んでいる場所、マイホームが濁流に根こそぎにされて流れていってしまう映像は当時とてもショッキングでした。
でもこの10年くらい、同じように家が濁流に飲み込まれてしまう映像を見ることは頻繁に起こるようになってしまいました。
豪雨以外にも大地震がいつ起こるかもわからず、コロナ禍では今まで順調だった仕事が急に全くできなくなってしまった人も大勢います。
いつ、自分が当事者になるか本当に分からない時代になってしまい、当たり前と思っていた日常は全く当たり前ではなくなってきました。
話をドラマに戻すと、そこで描かれていたのは高度成長期の中流家庭でした。
川辺の広々とした緑を眼下に見ることのできる東京の郊外にマイホームを建てて住んでいる一見幸せそうな4人家族。
でもこの家族メンバーはそれぞれに闇を持っていて、見た目とは裏腹に家庭内は崩壊寸前だったのです。
偽りの笑顔の裏で、夫は密かに東南アジアから風俗業の女性を輸入する仕事をしており、妻は心の空虚を不倫で埋めようとし、姉は白人留学生にレイプされ妊娠・中絶していた。それらの家族の秘密が徐々に明らかになり、最後には全てが暴露され、妻も夫に本音をぶつけ、偽りの幸せ家族は崩壊してしまうのです。
それを象徴するかのように、最終回では幸せの象徴のマイホームが濁流に流されてしまいます。
本当に全てを失ってしまったわけですが、家を失ったことによって 「きれいさっぱり全てのことを一から始めよう」と家族の和やかな再スタートの気持ちが表現されて終わるのです。
出来事自体には良いも悪いもありません。
出来事自体に幸も不幸もありません。
善悪、幸不幸は出来事に対する私たちの捉え方にしかありません。
もちろん、被災中の方に向かってそんなことは口にはできませんが、本当にそうなのです。
どんなことがあっても、それを自分がどう体験するか、そこから何を学ぶかが一番大切なことなのです。
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