心の実感を感じる~フォーカシング

今年の8月は毎日曇りや雨の日が多く、ジメジメして嫌ですね。
今日のお花は「サルスベリ」。
これは新宿御苑内ではなく、その目の前の道路「新宿御苑前通り」の街路樹です。

幹がスベスベしているので猿も滑って落ちそうだからついた名前ですが、実際はお猿さんはスイスイと登ってしまうそうです(^^;

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いわゆる「アダルトチルドレン(AC)」といわれる人たちがいます。

もとはアルコール依存症の親を持つ子供が、子供としての自分を生きられずに、子供なのに親の面倒を見るような機能を担わされて大人になってしまい、自分らしく生きられなくなって様々な生きづらさを感じている人たちのことです。

後にアルコール依存症の親だけでなく、様々な機能不全を抱えた家族の中で育った人たちのことを言うようになりました。

ACの人たちは子供の頃から常に周囲に気遣うことを当たり前のようにしてきたので、人の期待やニーズに気づくのは得意ですが、自分自身の気持ちやニーズに気づくことがとても難しいです。

そして、常に漠然とした空虚感や不全感などを感じています。

では、ACの人たちが自分らしさを取り戻すにはどうしたらいいのか?

そのためには、自分の気持ちやニーズに気づく練習をすること。

急にそんなことを言われても、どうやったら自分の気持ちが感じられるのか分かりません。

そのために役立ちそうなのが、「フォーカシング」です。

自分の身体の内側に意識を向けて、身体の微かな感覚に気づくようにします。

フォーカシングは、ユージン・ジェンドリンという心理療法家が提唱したカウンセリング技法です。

ジェンドリンがカウンセリングの有効性についての調査をしていた時にあることに気づいたのが始まりでした。

カウンセリングの効果がうまく出ている人たちと、そうでない人たちとの間にある違いを発見したのです。

カウンセリング中に、時々言葉に詰まったり、沈黙したり、「え~っと、う~ん、なんというか・・・」などと言葉を探しながら話している人たちはカウンセリングの効果がうまく出ているのです。

一方、流れるように流ちょうにしゃべる人は、何度もカウンセリングしても思うように効果が出ないと。
言葉に詰まる人たちは、その時は自分の内側のまだ言葉にならないあいまいな、とても微妙な感覚に触れて、それを言葉に紡いでいこうとしていたのです。

そのことから、カウンセリングにおいてはクライアントが「実感を感じる」ことが大切だということが分かったのですね。

実感というものは身体感覚と結びついています。

例えば、「怒りを感じた」というのは実感からは遠い「概念」に近いですが、「腹が立った」「はらわたが煮えくり返る」などは身体感覚を伴うとても実感のこもった言葉です。

または、「なんかこう、胸のあたりがふわ~とする」とかいうのも身体感覚と実感を伴っています。

感情は主に体幹部で感じやすいです。胸、みぞおち、お腹など。

あるいは肩や首・喉などにも。

自分の身体の内側を静かに感じてみて、何か感じられるかどうか試してみて下さい。

そして何かの微かな感覚(フェルト・センス)が感じられたら、それに「こんにちは」と挨拶してみましょう。

しばらくそのフェルト・センスを感じ続ける(一緒にいる)ことで、「ああ!」という実感を感じられるかもしれません。

もしかしたらそこで感じられるものは悲しみや痛みかもしれません。

それでも、その悲しみや痛みに「こんにちは」と言って、しばらくの間一緒にいてみましょう。

最初から一人でやるのは難しいかもしれませんので、興味がわいたら心理カウンセリングを利用してみて下さい。

お問合せ先
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◇新宿御苑前カウンセリング・センター
〒160-0022東京都新宿区新宿2丁目1-2 白鳥ビル4階(受付2階)
三田こころの健康クリニック新宿内
TEL : 03-4405-6948
Mail: counselingroom@reengagement.org
http://counseling-sinjyuku.jp/

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