リラックスできてますか?

リラックスできてますか?

「なかなかリラックスする時間が持てない」、「いつも緊張している感じがする」、「リラックスすること自体が苦手」という方は意外と多いかもしれません。

書店には様々な謳い文句で、あらゆるリラックス法が書かれた書籍が販売されています。多すぎて過ぎて、結局どれがいいの?と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

 この記事では、代表的なリラクセーション法をご紹介すると共に、そもそもリラックスするとはどういう状態を指すのかをお伝えします。

リラックスするとは何か?

リラックスした状態を理解するため、それとは逆のストレス状態に人がどのように反応するのか理解することが役立ちます。ストレスに曝されると、人を含めた動物は「闘争or逃走反応」状態になります。

「闘争or逃走反応」というのは、ストレスに対する身体の反応のことです。ストレスに遭遇すると人はそのストレスに立ち向かうか、もしくは逃げるために、体に変化が生じます。

具体的には、筋肉が強張り、心拍数や呼吸数が増加、血管が収縮し血流が制限されたりします。そして行動するのに必要な体の部位(筋肉・心臓等)にエネルギーを送ります。

この反応は短期的には役立ちますが、ストレスに長時間曝されるとうまく機能しなくなり、心身の疲弊につながります。数カ月または数年間に渡る慢性的なストレスは、免疫能力を低下させ、様々な健康上の問題を引き起こすのです。

例えば、動悸、不眠、突然の発汗、手足の震え、胃痛などなど。このような反応は誰でも経験しますが、これらは全てストレスを感じ取った時に起きる体のサインでもあります。

リラックスした時の身体の反応はそれとは対照的です。筋肉は弛緩し、心拍数や血圧は下がり、発汗は抑制され、身体の酸素消費量も低下し呼吸が整います。

リラックスはストレスと対極にあるので、定期的にリラクセーション法を使ってリラックス状態を作り出すことで、自律神経系の働きを調整し、心身の状態を適切な状態にしてくれます。

リラックスと緊張

「リラックスしつつ緊張している状態」を想像できますか?リラックスと緊張は両立できないものです。

そのため、不快なストレスを快適なリラックスに置き換える方法がリラクセーション法ということになります。では、一つリラクセーション法をご紹介します。

リラクセーション法 筋弛緩法

人は緊張すると無意識に筋肉が強張ってしまいますが、その筋肉の緊張が脳に伝わり更に緊張状態が強くなる…という悪循環に陥ります。

この悪循環を断ち切るための方法がこの筋弛緩法です。徐々に筋肉を弛緩させ、緊張や不安を和らげていきます。

筋弛緩法の手順

手の弛緩

まずは出来るだけ楽な姿勢をとってください。気が散りそうな方は目を閉じて頂いてもいいです。

はじめに右のこぶしを固く握って、より固く、より固く握ってください。この緊張状態を覚えましょう。固く握ったままで右のこぶし、手、腕に緊張を感じてください。

それでは徐々に右手の指の力を抜いていきましょう。さっきまでの緊張感と今の弛緩した感覚との違いを感じてください。同じ要領で左手もやってみましょう。

STEP
1

額、目、顔、首、肩の弛緩

まず額にしわを強く寄せて緊張状態を作り出して下さい。今度は徐々に力を抜いてしわをなくしていきます。弛緩が進んでいって、額全体のしわがなくなって滑らかになっていくのを想像して下さい。

次は目をものすごく固く閉じましょう。今度は目を閉じたまま目の周りの力を抜いてゆったりさせていきます。このリラックスした感じをよく覚えて下さい。

顎を強く固めて下さい。歯を食いしばって、顎の緊張を感じて下さい。徐々に力を緩めて、リラックスさせましょう。額、目、顎、顔全体がゆったりしているのを感じて下さい。

次に、首を少し後ろに傾けて、強く力を入れて下さい。強く固く緊張しましょう。前にゆっくりと力を抜いて楽な位置まで首をもっていきましょう。ここでゆったりとした感じを深く感じて下さい。

さあ、肩にいきます。肩をすくめて上にあげて下さい。緊張感を保ちましょう。肩、背中に緊張を感じて下さい。肩をゆっくり下ろして、リラックスして下さい。肩が深くリラックスして、背中の筋肉まで染み渡るようにしましょう。

STEP
2

胸の弛緩

楽に自由に息を吸って吐いて下さい。体全体が弛緩していく感じがわかりますか?さあ、深く息を吸って、そのまま息を止めて緊張を感じましょう。そしてゆっくりと吐いて、胸板を緩めて自動的に息を押し出して下さい。

自由に楽に呼吸しながら体全体をゆったりさせましょう。胸の弛緩を感じて、それを肩、首、顔、腕にまで広げていくイメージです(余裕があればもう1セット)。

STEP
3

足の弛緩

足を緊張させるために足の指とつま先を遠くの方へ、下の方に押して下さい。これでふくらはぎの筋肉が緊張します。では徐々に弛緩させましょう。自然に力を抜いてゆったりさせて下さい。

STEP
4

深呼吸

ここで一度、大きく深呼吸してみましょう。繰り返してもいいです。体全体の筋肉がゆったりとしていることを確認してみて下さい。

STEP
5

終結

「3…2…1…」と数字を逆に数えて下さい。1と言い終わったら、頭がすっきりとして、気分が爽快になるイメージを想像します。

STEP
6

実行上の注意
・この方法は、1日2回以上、1回の実施で手の緊張・弛緩から深呼吸までを2セット以上行うのが理想です。継続していくことでより効果を実感できます。取り組み時間がなかなか持てない方は、隙間時間に試してみて下さい。
・実施中、強く緊張し過ぎて首や背中などの筋肉を痛めないように注意して下さい。また、足の訓練は足がつらないように短時間で行いすぐに弛緩状態なるよう心掛けましょう。負担感ばかりが大きい場合はその部位の訓練をやめて下さい。

今回ご紹介した弛緩訓練を含め、あらゆるリラクセーション法は取り組む本人がその必要性を十分に感じていることが大事です。何かのストレス、不快感があり、その状態を軽くしたいという意識があって初めて、リラクセーション法が役に立ちます。

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