千と千尋(1)~本当の名前
関東地方は7月19日に梅雨明け宣言が出ましたね。
九州地方では記録的な豪雨となって、今も大変な思いをされている方々がいらっしゃることを思うと心が痛みますが、東京ではあまり雨の降らなかった梅雨だった気がします。
梅雨が明けたら本格的な夏です。
今年も猛暑になりそうですが、カラっと晴れた夏空は元気が出る気がします(すぐバテますけど)。
今日の写真は新宿御苑内ではなくて、私の家の近所で見つけたヒマワリです。
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先日、「名前」についての記事を書いて、ふと思い出したのがスタジオ・ジブリの映画『千と千尋の神隠し』。
この映画、私にとってはジブリ作品の中で一番好きな作品です。
理性ではとても追いつけない圧倒的なイマジネーションの洪水のような作品、この中に人の様々な心のメタファーが描き出されています。
そして、この作品の中でも名前が重要なテーマとなっているな、と思いました。
八百万の神々が客として集う油屋の主人・魔女の湯婆婆は、相手の名前を奪って人を支配します。
千尋も「おまえは『千』だ」と言われ、自分の名前を奪われてしまいます。
油屋にはハクと呼ばれる少年も湯婆婆の手下として働いていて、彼もまた本当の名前を奪われて、自分が何者であったのかを思い出せずにいました。
本当の名前を忘れると元の世界に戻れなくなるのだということです。
ハクはなぜか千尋を知っており、千尋のことを覚えているのだといいます。でも、千尋には、ハクの正体に心当たりがない。
そんな中でストーリーが進んでいって、最後の方で千尋が二人の関係を思い出します。
私の大好きなシーンですが、二人の会話はこんな感じ。
<千尋>
ハク、聞いて。お母さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、
私、小さいとき川に落ちたことがあるの。
その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって<・・・。
でも、今思い出したの。その川の名は・・・その川はね、コハク川。
あなたの本当の名は、コハク川・・・<ハク>
ああっ!
千尋、ありがとう。
私の本当の名は、ニギハヤミコハクヌシだ!<千尋>
ニギハヤミ・・・?
ニギハヤミ、コハクヌシ。
すごい名前。神様みたい。<ハク>
私も思いだした。
千尋が私の中に落ちたときのこと。靴を拾おうとしたんだね。<千尋>
そう。コハクが私を浅瀬に運んでくれたのね。嬉しい・・・
ハクは、なんと川の神様だったんですね~!
ハクは、自分の名前を思い出すと、立派な龍の姿に変わります。
そして、自分が本来持っていた力を取り戻します。
私たちも生まれてから大きくなる過程で本当の名前を奪われて、代わりに変な名前をいっぱいくっつけていますよね。
それらは親や周りの社会から取り込んだ様々な価値観。
それらの名前が居心地いいなら問題ありませんが、何か今の自分にはしっくりこないと思ったら、自分にとってはもはや要らなくなった借り物の名前は手放すときです。
あなたにはどんな名前がついているのでしょう?
そして、あなたの本当の名前は何でしょう?
あなたの本当の願いはなんでしょう?
あなたは本当はどんな風に生きたいのでしょう?
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